六壬 4. 十二天将と六親
十二天将は、関係しているモノゴトを教えてくれます。ただし天将の吉凶だけで判断するのは早計です。むしろ、森羅万象を12に別けたと考えてください。何か事象があれば、それは必ず十二天将の誰かの影響と考えるのです。こういう考え方を「類神(るいしん)」といいます。
- 貴人
- 吉。意のままになる。指導的立場で人を導く。
土性。気品ある、優雅、目上、貴重品、慈悲、キーマン。色は黄、数は8 - 勝蛇
- 凶。安寧を求めて得られない。不安感より変化を恐れる。
火性。恐怖、怪現象、困難、驚き、ずるい、死、裁判、火、血、刃物。紅赤色。数は4 - 朱雀
- 少凶。周囲を威圧する。臨機応変、目立つ。
火性。派手、華美、教育、学問、美人、先生、郵便、通信、占い、試験、人当たりはいいが内情はそうでもない。赤黒色。数は9 - 六合
- 吉。円滑な対人関係。多くの友人に囲まれる。平和を愛する。
土性。交際、和睦、交流、正直、外交、誰とでも、契約書、よい取引、結婚。青色。数は6 - 勾陳
- 凶。争いを好む。知りたがり。融通が利かず、アクが強い。
土性。愚か者、停滞、喧嘩好き、下品、警察、気が短い、軍人、二枚舌、戦争。黄色。数は5 - 青龍
- 吉。活動的。積極的。
土性。活動的、繁栄、出産、権威、人格者、金持ち、お金、商売、金融、収穫。藍色。数は7 - 天空
- 凶。嘘つき。ギャンブル、貧困。
土性。空虚、嘘、損失、消耗、徒労、詐欺。黄色。数は5 - 白虎
- 凶。非情。猪突猛進。
金性。争い、病気、乱暴、動物、冷酷な人、手術、凶器、金属。重工業。栗色。数は7 - 太常
- 吉。地に足のついた保守的常識人。
土性。五穀、名誉、酒飲食関係、衣食住。黄色。数は8 - 玄武
- 凶。表情に出さず腹に一物あり。他人には予測がつかない。
水性。盗み、秘密、滅亡、陰気、陰険、邪心、逃亡、悪智恵。黒色。数は4 - 太陰
- 吉。現実離れしていて、純情。
金性。精錬、消極的、隠居、静香、清貧、新興宗教、水商売、神職、正直、融通はきかない。白色。数は6 - 天后
- 吉。慈悲深い。恋愛。
水性。女性的な気品。優雅さ、愛人、妻、淫乱、秘密、黒色。数は9
神と六親
一課の上(天盤から引いた十二支)を干上神といい、自分や占いの主体とします。 三課の上を支上神といい、対象、相手、などとします。
十二天将については、先に述べました。 もう、ひとつ状況を説明する材料として、六親星(架空の星)を出します。算出の仕方からして、日干との五行の関係を象徴します。
六親は「父母、兄弟、子孫、妻財、官鬼」5種類です。が、実は官鬼に限って、日干と同じ陰陽であれば「鬼」、違う陰陽であれば「官」といいます。都合、6種類です。
- 日干の五行と同じ五行を持つと兄弟
- 日干の五行を生じる五行を持つと父母
- 日干の五行から生じる五行を持つと子孫
- 日干の五行を剋す五行を持つと官鬼
- 日干の五行が剋す五行を持つと妻財
これは、日干を自分と見なすと次のような関係が六親にはあるという考え方からです。
- 兄弟 → 我とおなじもの
- 父母 → 我(自分)を生ずるもの
- 子孫 → 我から生ずるもの
- 官鬼 → 我を剋するもの「陰陽特例あり」
- 妻財 → 我から剋するもの
他の五行との関係で決めます。
日干 | 木 | 火 | 土 | 金 | 水 |
---|---|---|---|---|---|
木 | 兄弟 | 子孫 | 妻財 | 官鬼 | 父母 |
火 | 父母 | 兄弟 | 子孫 | 妻財 | 官鬼 |
土 | 官鬼 | 父母 | 兄弟 | 子孫 | 妻財 |
金 | 妻財 | 官鬼 | 父母 | 兄弟 | 子孫 |
水 | 子孫 | 妻財 | 官鬼 | 父母 | 兄弟 |
六親の性質
名前が象徴しているように、以下の事物を示します。
- 父母(自分を生じてくれるもの)・・・父母、師匠、家主、家、衣服、雨具、帽子、学問、書籍、証文、通信、筆記試験、不動産、乗り物、社長、広告、印鑑、通帳、カギ、手紙、住所、雨
- 官鬼(自分を拘束し、害や威圧してくるもの)・・・病気、女性にとっての男性、仕事、就職、出世、上司、官庁、夫、盗賊、武器、刃物、雷、台風、地震
- 兄弟(自分と同類)・・・兄弟姉妹、友人、同僚、競争相手、破財(妻財を剋すため)
- 妻財(自分が利用し益を得るもの)・・・男性にとっての女性、部下、金銀財宝、日用雑貨品、売り上げ、携帯電話、食料、晴れ(父母を剋すことより)
- 子孫(自分から生じる)・・・子女、孫、自己を守るもの、医者、良薬、警察、僧侶、ペット、娯楽、日月星辰(星座)
以上を利用して、課式の示すものごとを明らかにしていきます。一課、三課にまるで関係ない類神がのっている場合、その占時は誤りです。六壬の凄いところのひとつは、このように誤りの占いがわかることです。