インセンスの組み合わせ
お香を試したり、素材香を楽しんだりすると、次にいろいろ組み合わせてみたくなると思います。
でも、どんな組み合わせがいいのでしょうか?インセンスの原材料は何百種類とあります。
インセンスを純化した香水はブランド物にはつきもので、どれも素敵な香りがします。
香水を作り出す調香師は匂いに敏感とはいえ、感性だけで数百種類の材料から、よい組み合わせを発見するのでしょうか。
実は組み合わせにはある程度の理論があります。
次の図はフレグランスホイールと言われるもので、1983年(比較的最近ですね)にイギリスのマイケル・エドワーズ氏によって提唱された香りの分類です。
当店では実態をあぶりだすために、100種類以上のフレグランスを分析しました。
ここでは細かい分類にこだわらず、まずは主要四種類のオリエンタル、ウッディ、フレッシュ、フローラルという分類で調査し、主に使われている(つまりオーソドックスな)材料を調べました。
アンバー(竜涎香)、ムスク(麝香鹿)、ジャスミン、スズランはどの系統でも頻繁に使われますが、事実上入手が困難で合成香料が使われていますので、あらかじめ外してあることはお断りしておきます。
香水では先に香る順番にトップノート、ミドルノート、ラストノートという説明がなされていることが多いようですが、香水も薫香も成分の蒸発は同時です。
早く蒸発しやすいものが先に香るという仕組みです。
ですから、これらは組み合わせの中で相対的なものであることを知っておいてください。
木の茎や根からできているものは蒸発しにくく、花由来は蒸発しやすいと覚えておけばよいでしょう。
ここでもノートは一応分類していますが、それによって各ノート<から選ぶことで組み合わせが簡単になることを目的としています。
最初は好みの系統を選んで、各ノートから一種類ずつ選ぶことから始め、だんだん複数種類を組み合わせていくことで香りを楽しめるということです。
ウッディ系 | オリエンタル系 | フレッシュ系 | フローラル系 | |
トップノート | ラベンダー ベルガモット |
ラベンダー ベルガモット |
ベルガモット ブラックカラント(カシス) |
ベルガモット |
ミドルノート | オレンジ ローズ ゼラニウム |
カルダモン ローズ オレンジ |
ローズ オレンジ グレープフルーツ |
ローズ オレンジ |
ラストノート | ペチパー シダー パチュリ バニラ トンカビーンズ サンダルウッド |
バニラ サンダルウッド パチュリ トンカビーンズ ベンゾイン シダー ミルラ |
シダー ホワイトムスク(合成) オークモス サンダルウッド |
シダー パチュリ サンダルウッド ホワイトムスク(合成) バニラ |
*無断転載禁止
フローラル系のトップが少ないのは省いたアンバー、ムスク、ジャスミンが多用されているためです。(他の系統もそうですが)
薫香にできるものはできるだけ揃えようとしていますが、扱っていないものも当然、あります。
100種類以上の香水を調査すると、使われている材料も100種類以上となります。
めったに出てこない材料でちょっとアクセントをつけることこそが、調香師の腕の見せ所といえます。
各系統の中から選べば、あまり香りがケンカしないので失敗せずに調香を楽しめるはずです。
オーソドックスな例として、
リラックスしたい時、
オレンジ+ベルガモット+ラベンダー
フランキンセンス+ベルガモット+ラベンダー
気持ちを集中したい時、
ベルガモット+ゼラニウム+フランキンセンス
清潔な香り
シダーウッド+ベルガモット
などはいかがでしょうか。
体験できるワークショップを東京で行いたいと思いますので、こちらもご期待ください。