フリーエネルギーについて

2019/5/21 火曜日

時々、海外のフリーエネルギーの話題を持ち込んできて「作ってほしい」とおっしゃる方がおられます。

最近、ちょっとまとめて返事したのでここに掲載します。

…さて、XXX装置の解説記事を読んでみましたが、これで電気ができるとは思えません。
もう少し凝ったものを期待したのですが、インチキだと思います。

すでにフリーエネルギー装置製作キットはあちこちで売られています。Googleで見てみてください。
別にXXXが最初じゃないです。

私はフリーエネルギーに完全に懐疑的です。
不可能だと決めつけませんが、状況が悪すぎます。
日本にいるフリーエネルギー研究者は例外なく、ひとり残らず全員詐欺師です。
1980年代から、いつも5年後に完成です。

入力より出力が大きいエネルギー装置は、高速増殖炉のように原理がわかっていて国が1兆円費やしても実用化されないんです。

ガレージで簡単にコイルを組み合わせてなんかエネルギーが発生するならば、20世紀に発明、発見されてます。
たとえば電動モーターなんて、みなさんが想像する以上にいろんなかたちが組み合わされているんです。
電子回路も本当にいろんな組み合わせが試されています。その中で生き残ったものがラジオやアンプになったんです。
アナログ回路は素子の相互作用をすべては計算しきれず、結果的に経験則を後から理論がついていっているということをご存知でしょうか。
今生き残っているものは、その中で比較的うまくいったものだけなんです。

ベアリング・モーターのような奇妙な現象すら知られているのです。
最初に気づいた人はいったい何をしていたのでしょうねぇ。不思議です。

成功するまでの途中の紆余曲折はほとんど報道や本にもならず歴史のなかに埋もれていますから、みんな結論が最初からあるように見えるのです。

学校で「なんとかの公式」を次から次に習いますが、ひとつひとつの公式の発見の中には一生をかけた人もいるのです。
それに気づいたことはあるでしょうか?

フリーエネルギーが開発されたら、石油会社やらが潰すと何十年も前から言い訳していますが、石油会社ってみんなが思っているほど儲かっちゃいないんです。株価を見ればわかります。
電力会社の東京電力も税金投入でいまや半官で、そんな陰謀に加担するカネの支出はできません。

そして、フリーエネルギーが本物ならば石油会社より大きい自動車会社宇宙産業と軍需産業が黙っていません。
彼らは莫大な量の電池と充電に手を焼いていて、それが1キログラムでも1ワット減るなら喜んでいくらでも出します。
1980年代に電池の研究する人はほとんどいなかったのですが、今は化学の分野で電池の研究は一大分野です。
危険極まりない原子炉を積まないでよい潜水艦なんて夢のような兵器です。
言い換えれば電源には大量の資金が投入され、新しい発見、発明を待たれているのです。

フリーエネルギーを紹介している人々はすごい発見だと思い込んでいますが、
私から見ると無知ゆえに製作者の言い訳を悲しいくらいに素直に信じこんでいて、イタイ限りです。

信じこむ人は関心があるハズなのに、全員、「技術的なことはわからないので」と言い訳します。
そんなに関心があるのなら、電磁気学くらい勉強するのが普通だと思うのに、なぜ陰謀論のほうが大事なのでしょう?

私はそこにも胡散臭い動機を感じます。

これという情報があれば教えてほしいです。
私が「!」と感じられれば再現テストします。