ホメオパシーとレメディ

2023/12/6 水曜日

ホメオパシー

(この記事はもともと2007年に書いたものを大幅に2016年に書き換え、サイトを分割しました。)

2010年8月、数度にわたり朝日新聞でホメオパシーで死亡した例が記事となりました。
発端は助産婦が硬膜下血腫の予防のために生後の子にビタミンK2を投与すべきなのに、ホメオパシーを与え死亡したことにあります。(詳しくはこちら)
そこで学術会議が明確にホメオパシーを否定しました。
かなり日本の医療現場において画期的な事件です。公に白黒をつけられると、「野菜スープ」のように消え去るしかありません。
代替療法の立場をわきまえず、データに基づかずにヒステリックに新聞記者に反論した結果であり、当然です。

同種療法の勘違い

ここではなぜ上記のような事件が起きたのか、さらに考察してみたいと思います。
それにより現在のホメオパシーの日本のレベルとホメオパスの問題点が明らかになるからです。

新生児や乳児は血液凝固を補助するビタミンKを十分生成できないことがあるため、厚生労働省は出生直後と生後1週間、同1か月の計3回、ビタミンKを経口投与するよう指針で促しています。
特に母乳で育てる場合は発症の危険が高いため投与は必須ということです。

どう見ても、まず医学的には確立した方法です。
それは道路を走行する場合、走行車線をできるだけ走りましょう、と同じで不慮の事故を起こさないための予防処置として十分納得できることです。

さて、同種療法の技術的な問題です。
ホメオパシーの「同種療法」の考え方からすると「凝固を促す物質」を与えるということにはならないはずです。
凝固しない物質を極微量与えてバイタルフォースの治癒力を喚起するという考え方がホメオパシーです。当然、選択するべきリメディは血液凝固しにくいレメディ(納豆とか)となるはずで、ビタミンKのレメディなんて発想になるわけないです。

ところが、上の問題について日本のホメオパシーの団体はビタミンKのレメディの話ししかしていません。この問題について考えると、とても疑問をもってしまうアプローチです。

ひょっとしてホメオパシーを学んでいる人もふくめ、ほとんどの人がホメオパシーの作用原理は医療用の薬のようなものだと思っているのではないかと危惧します。

ホメオパシーの紹介で必ずひきあいに出される逸話に、
健康な人にキニーネを与えるとマラリアとよく似た症状を起こす。そのキニーネをごくごく薄めたものをマラリアの患者に与えると、症状が収まった、
というものがあります。

このエピソード自体はキニーネがマラリアの特効薬である理由については、なにも触れていません。
無学な人ならば18世紀の人間と同様にキニーネの苦味がマラリアを治すと誤解してしまいます。

なぜ、キニーネがマラリアに効くかというと、マラリア原虫を体から追い出すからです。苦味は単なる属性です。苦味自体はホメオパシーレベルに薄めれば得ることはできません。

ハーネマンがキニーネについて議論していたのは1790年代であることがわかっています。マラリア原虫が発見された年は実に1880年。フランスの軍医だったラヴランが顕微鏡で発見したのです。言い換えると1880年までおよそ100年、治すことはできてもマラリアの原因はわかっていなかったわけです。

ハーネマンは当時、症状のみに注目し「同種の症状を起こすものは同種の病気を治す」と考え、その考え方を拡張したのであって、マラリア原虫については知っていたはずはありません。

はっきりと指摘しておきたいことは、キニーネの話が引き合いにでていても、治癒に関してホメオパシーの考え方と現代医学の考え方はまったく異なっている、ということです。

ホメオパシーは症状に注目するところから、その人の精神的傾向に至るまで微に入り細に入り聞いて「似た症状を引き起こす薬」を適合させようとします。

しかし、症状を引き起こす科学的理由については一切、問いません。
回復するのはバイタルフォースの問題であるとして、マラリア原虫の話は出てこないままなのです。

ホメオパスの限界

ホメオパシーをやっている人々はホメオパシーやレメディしか知らない人がとても多いです。上のようにキニーネひとつとっても、全く違うアプローチが存在することをどれだけのホメオパスが知っているでしょうか。

視野がものすごく狭いため、ホメオパシー、レメディの世界は道を誤りやすいのです。
なぜならば、

・レメディは何万種類もあるが、症状に最適のレメディを探り当てる論理的な方法論がない。ひたすらクライアントの自覚症状に頼る

・症状とレメディの組み合わせだけでホメオパスの学習能力が追いつかないため、
その人の思考方法や考え方といった病気をもたらす要因にはなかなか目が届かない

・掴みどころがないため「権威主義」になりがち
偉い人がいえば、その人の個人的意見も事実とみなされる。

インドの偉いホメオパス(ホメオパシーの相談者)がやってくると、相談料が10万円を超えても予約が取れないそうです。

ホメオパシーにたずさわる人はその話を聞いて、権威にならないとお金儲けはできないとビジネス上の誤解をします。さらに権威が10万円も取るのだから間違いない診断だと結果も知らずに尊敬します。

しかし代替療法の現場を知っている私からすれば、相談料に10万円払える患者は、プロポリスも10万円分買って、鍼灸師にも毎週かよっています。霊能力者に10万円払っているかもしれません。
クライアントは別にホメオパシーにコミットしているわけじゃありません。

結果、どれが有効だったのか本人もわからない。。。

ホメオパシーだけをやる人は代替療法の世界のビジネスを知らないので、なんともプアな評価をしてしまうのです。(そうでなければ幸いです)

極端なポテンシーは本当に製造可能なのか?

(以下は2021年7月にfacebookに書いた記事です)

ホメオパシーには200Cとか1Mとか高い希釈度(ポテンシー)のものが言及されています。
お客さんが200Cのレメディを作りたいとおっしゃいましたが、私はそれは普通じゃ不可能だと答えました。
なぜならば、200Cとは100の200乗(100E+200)のことをいってますよね。
とてつもない希釈度です。
例えばみなさんが大きい数字の単位としてご存知の「無量大数」は10の68乗だと一般的に言われています。
それよりはるかにはるかに大きい数字です。
さらにこういうことを考えてみます。
コップ180ccの水を海に注ぎます。世界中の海をよくかきまぜたと仮定してまたその海をコップにすくいます。
元のコップの水はどれくらい入っているでしょうか?
ほとんどないだろうって?
計算しましょう。
海の総量はおよそ13.7億立方キロメートルといわれています。
コップは180ccとしました。水の分子数は1.8なので、180ccなら10モル。1モルは6.02E+23なのでコップの中には6.02E+24個の水分子があることになります。
すると
コップの水の分子の数*(180cc/13.7億立方キロメートル)
を単位をそろえて数式にすると
6.02E+24 * (1.8E+2 / 1.37E+24) = 7.91E+2 = 791
つまりコップ一杯の水を海に流してすくうと、ざっくり10E+22の1に薄められ、そこには元の水分子が791個も残ります。
(参照:http://hama-1987.cocolog-nifty.com/…/08/post-770f.html)

これが希釈の現実なのです。いくらでも薄められと漠然と考えているでしょうけれども、地球上を考えてみても希釈に限界があることを知ってください。
つまり200Cのポテンシーなんて希釈度として度外れていて、通常の作業でできる希釈の限界を超えているのです。
希釈したつもりであっても、水の循環をとおして誰かが過去に作って廃棄したホメオパシー、元の水分子や周囲のゴミもまざり期待どおり希釈されていない可能性が高いのです。

さらに、水って本当は電気をとおさないということをご存知でしょうか?
超純水といわれる分野です。

薄めるという過程を進めていくと、水の純度が問題になることはあきらかです。ホメオパシーのように現物質を入れて希釈し、どんどん希釈度を高めていけるなら水に混ざった不純物の影響が当然クローズアップされてきます。
それはラジオで弱い電波が雑音にまぎれていくのと同じことです。
ここでは水に波動が残ると考えており、現物質があるないは問題にしていません。

さらに困ったことに超純水はホメオパシーを作るのには向きません。
実験でわかっていることですが、ダイナマイゼーションをしても情報を記憶しないのです。

つまり200Cや1Mなどというホメオパシーは上記の理由で理論的にはなはだ作ることが難しいのです。
市販されていることは知っています。販売会社はこの物理的矛盾をどう解決しているのでしょうね?聞いたら無視されること、間違いないです。

私はホメオパシーを否定していません。その考えを取り入れた上で、できないものはできないと言っています。
これは未知の世界であっても、科学で現実はわかる一例です。

レメディ

レメディという言葉は薬を意味しません。「療法」ということです。
ホメオパシーの専売特許ではなく、フラワーレメディなどがあります。
ホメオパシーとは作られた経緯、動作原理はまったく違うにもかかわらず、ホメオパシーとフラワーレメディは似ているため両方を学ぶ人も多いようです。

レメディはしばしば花や木のエネルギーを写し取った、と表現されます。
具体的には、水にそういう物質を置いて日光にさらして”エネルギーを転写した”といいます。

”エネルギーを水に転写した”

この意味をよく考えてみてください。
レメディを扱っている人はこの考え方に無頓着にすぎます。
とくに「エネルギー」という言葉に。

それとホメオパシーの関連について考察したことはあるのでしょうか?

いったん話はかわり、ラジオニクスの話をします。

 電気が産業に応用されはじめたのは1850年代。ニコラ・テスラが交流電気を発見してからです。交流電気のおかげで送電が可能となりました。
(当時、エジソンは直流を主張しました。しかし直流は電気分解を起こす、同じ100Vでも人体への損傷が激しい、送電効率が悪いため交流が採用されたのです。別に陰謀ではありません。逆に安易に直流送電を主張する人の知性を疑います。)

それ以前の電気は格段、一般人の興味をひくものではありませんでした。
雷や琥珀の棒を布でこすると、羽や紙くずがくっつくということが知られている程度でした。
よもや太陽光が電磁波だなんて誰も知りませんでした。

ラジオニクス装置は電気が広まる時代に発明されました。

ラジオニクス装置は電磁波の概念を応用して、実は微細な電磁的エネルギーを扱っているのではないかということに、研究者は気づきました。

さらに装置を抽象化していくことで「電磁的エネルギー」でもないということに気づきました。
一方で電磁的エネルギーを使ったほうが多くの人に使いやすいこともわかっています。

ラジオニクス装置は、うまくチューニングできれば劇的に効きます。
害虫も死にます。

ラジオニクス装置では水には物質的なもの物質的でないものをふくめ、その”情報を転写できる”ことが発見されたのです。

先のフラワーレメディで”エネルギーが転写される”というのは実は違っていて、”情報が転写される”と考えると、ホメオパシーのレメディも、フラワーレメディもラジオニクスで作る(日本でいう「波動の転写」)も同じ概念で説明がつくのです。

ホメオパシーを学んでいる人々は、脇目もふらず創始者のハーネマンと歴代の熟達者からの情報しか学ぼうとしません。それでは病原菌の存在を知らない1700年代で進歩が止まったままです。

しかしハーネマン以降、世の中では多くの微細なエネルギーの研究者が技術の進歩と共に研究をしてきました。ホメオパシーは微細なエネルギーの応用例のひとつです。

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