銀(コロイダルシルバー)
はじめてこの記事を書いた日時が2007年の10月でした。
それから13年が経過しました。
いろいろな意味で見直すタイミングが来たので、ゼロから開発しなおしました。
コロイダル・シルバー
銀は大昔から殺菌作用があることが知られていました。
ヒポクラテス(有名な古代の医師)は「銀には有益な治癒と抗疾患作用がある」と書き残しています。
フェニキア人は銀製のボトルに水、酢、ワインを貯蔵したそうです。
シルクロードを旅する隊商は彼らの飲料水をつめた皮袋に銀貨を数枚いれていたそうです。2枚の銀貨は皮袋を背負った馬や駱駝の歩みの振動で、こすれあいます。それにより溶け出す微量のイオンで水の腐食が防がれていたのです。
1900年代のアメリカではミルクを腐らせないために牛乳瓶に銀の硬貨が入れられました。
コロイド状になった銀は抗生物質の代替品、代替医療家により使われています。
コロイド銀がなぜ殺菌に効くのかというと細菌細胞の壁のタンパク質に付着して損傷を引き起こし、銀イオンが細菌の代謝プロセスを破壊するからだ、と考えられています。わかりやすくいうと「呼吸」できなくなり窒息するということのようです。
実験室での試験により、この破壊プロセスとバクテリア細胞死が示されており、コロイド銀がウイルスの代謝を破壊し、真菌の増殖も阻害することが示されています。
一般的には洗剤にまぜたり、傷口にスプレーしたり、クリームに混ぜて塗布したり、少しだけ飲むといったことに使われています。
コロイド銀は、数週間後に腎臓、リンパ系、および腸で除去されるとのことです。
この古代からの知恵を現代に生かそうではありませんか。
コロイダル・シルバーを作る装置というものを世界中から購入したり、文献を調査しましたが、だいたいマインド・クラフトで過去に販売していたものと似ており、ほとんどは説明書もありません。
どれも原理的には水に純銀の電極をいれ、9Vから36Vの直流電流を流します。
しかし、2020年に調べると多数製品が出ており、説明もいろいろ矛盾しています。多少、専用機もありました。買ってみましたが、これもイマイチです。タイマーがメチャクチャ。濃度測定器は動かないトホホ。
なので新たに装置を作りました。
今回、マインド・クラフトで作った装置は再現性を重視しています。装置と手順を守れば、コロイダルシルバーは安全に簡単に作れます。
順を追って説明したいと思います。
水
コロイダルシルバーを作る水は絶対に蒸留水/精製水でなければいけません。
薬局やECサイトで次のような製品が売られています。
どちらもそれほど高価なものではありません。
カーショップにもバッテリー補充液として蒸留水が売られていますが、衛生的には考慮されていませんから、必ず薬局などで買い求めます。
なぜ蒸留水でなければいけないかというと、コロイダルシルバーを作る時には通電します。ミネラルウォーターやその他の水はいろんなものが溶け込んでいるので電流が大きく変わるからです。
ミネラルウォーターなどと一緒にしたい場合は蒸留水でコロイダルシルバーを作ってからミネラルウォーターに入れるなどしてください。
繰り返します。必ず蒸留水・精製水を使ってください。
まず全体の流れを森先生の動画でつかんでください。
純銀線の準備
次に直径1mmの純銀線を用意します。
手芸ショップなどにもおいていますが、多くはスターリングシルバー(純度95%)です。
これではダメで、必ず純度99.99&の純銀線を用意してください。
コロイダルシルバーで消費する銀はほんのわずかですから、大量にはいりません。
2本用意します。
これを電極に留め具を押しながらセットします。
機器のセット
マインド・クラフトのコロイダルシルバーを作るコントローラーは次のようになっています。
電源コネクターをさすと、真ん中のディスプレイが光ります。
プッシュボタンを押すと製造開始です。途中でやめたい時は電源コネクターを抜いてください。
出力ジャックに電極からのケーブルを差し込みます。
付属のガラスコップに300ccの蒸留水をいれ、銀電極をコップの蓋のように差し込みます。
だいたい電極の80%が水に浸かった状態になります。
この時、電極がクロスして繋がってしまっていないか確認してください。繋がっていたらショートしますから、離してください。
適度に並行が好ましいです。
電極ケーブルの反対側のプラグをコントローラーに差し込みます。
電源も写真のとおり、後部のプラグに差し込んだら、コントローラーの画面が光り準備OKです。
コントローラーには0.1.5.0.と表示されているはずです。これは150分を意味します。
開発時に数回やってみて、150分だと確実に15ppm以上のコロイダルシルバーができましたので、出荷時は150としています。もちろん変更可能です。
白いプッシュボタンを押すと、リレーがオンになり、通電が始まります。
製造していると次のようなスラッグ(slug)が出てきます。
このモヤのようなものは酸化銀で、陽極に発生します。
びっしりになってきたら、取り出してティッシュで拭き取ってください。
この時、電極ケーブルはプラグから抜いてください。作業をしていてショートさせてしまうことがあるための安全策です。
そして極性スイッチを反転側に入れます。どちらも銀線ですから、片方だけが減らないようにするために時々、極性を入れ替えるのです。1時間ほどたつと、製品には付属していませんが、レーザーポインターを当てると、その光線が見えるチンダル現象が起きます。
肉眼では見えない小さな銀粒子による光の散乱です。
途中、なんどか濃度をTDSメーターで確認することができます。
150分で15から20ppmになります。もっと濃度が高いものを作りたい場合はタイマーをもう一度セットするか、時間を変更することもできます。
濾過
最後にペーパーフィルターで酸化銀などを濾過します。
完成です。作成直後は色は目立たないのですが、しばらくするとこんな色になります。
できあがった水は一回に200ccの水に30ccを溶かし、一日三回飲むというのが例としてあげられています。
iHerbでは30ppm(parts per milion)のコロイダルシルバーの場合、成人は一回2.5mlを一日2回。子供は1mlを一日2回としています。
また、スプレー容器に入れ、喉頭咽頭部に違和感あるとき、10ppm液を10回口腔内に噴霧します。口腔内もかなり清潔になり、歯肉も綺麗になります。使った後の尿は特別な臭気があり、腎臓もキレイになります。
保管は常温でOKです。
工房こぼれ話
この装置は最初、どうやって作るのかわからず、一台、輸入しました。2020年に勉強のつもりで3台輸入し、今回のコンプリートキットにおいてすべてのいいとこどり以上をしました。 輸入していて気づいたことがあります。どこも9V電池を3,4個以上繋げないように電池ケースに入れています。 マインド・クラフトでもコロイダルシルバー製作器で、以前は9V電池を使っていたことをご存知の方も多いかと思います。今回やめた理由は経済性と危険性からです。 9V電池は地方では簡単に手に入らず、一個500円以上でコンビニで売られています。3個で1500円です。コロイダルシルバーの完成品を買うと2000円-3000円くらいですから、自作するメリットが薄くなります。 さらに重要なことは危険性です。「42(しに)ボルト」と言いますが、電池のような直流電気は結構危険で、濡れた手で42V以上だと感電死する危険性があります。(東京技能者協会資料) 9V電池を5個組み合わせると45Vです。人によっては早く作ろうと5個組み合わせたりすることは十分考えられますし、水を扱います。 安全面を配慮して24Vベース(しばしばパソコンの電源に使われている電圧)にしました。 電気に詳しくない団体が9V電池を5個も6個も組み合わせられるものを売っていますが、知らぬが仏、ですね。 |