アルファ波

2019/5/20 月曜日

アルファ波

アルファ波を発生させる(といわれている)CDや電磁波発生装置には、意味があるのでしょうか?

脳波(EEG:ElectroEncephaloGram)の基本

脳が微弱な電気を発生していることは古くから知られていましたが、1929年にドイツのHans Bergerによって以下のように分類され、いまも使われています。

デルタ(Delta)波 0.1-3Hz 深い睡眠
シータ(Theta)波 3-8Hz 深いリラックス、瞑想、集中、記憶力増進
アルファ(Alpha)波 8-12Hz 軽いリラックス、ポジティブシンキング
ベータ(Beta)波 12-Hz 通常思考状態

なにゆえ、脳波が発生するかについては諸説ありますが、個々のニューロンが発生する電気の総和であるというのが「定説」です。

ニューロンは情報を処理する場合に活発に刺激しあい、電気を発生します。(脳神経が電気信号で通信しているのはご存知ですね?)目を開けただけで、その情報処理、さらには付随する情報の想起により脳は活発に動きます。

これを医学的には「アルファ抑制」といういい方をするのです。つまり、脳の処理部位が広がったため、全体的な同期が低くなったためアルファ波が消えてみえているのだ、と。この持続的に発生している電気を「自発性脳波」といい、刺激に応じて発生する電気を「誘発性脳波」といいます。
この脳波の定義は重要です。

アルファ波の出し方

したがって、自発性脳波を優位にするには、誘発性脳波を出さないようにすればよいのです。手っ取り早い方法は目をつぶって横になりなにも考えない。長時間続けたければ「アルファ波の出るCD」など買わなくても、お気に入りの静かな音楽を聞いてぼっとして、「誘発性脳波」の発生をおさえればよいのです。なんと簡単なことでしょうか。

ましてや外部から「アルファ波の周波数の電磁波」など与えても意味はありません。脳波を音にたとえるならば、F1カーが爆音を立てて早く走るから、爆音をたてれば普通の車が早く走るわけではない、といえばおわかりいただけるでしょうか。

アルファ波を与えても、本人が考え事をすれば「誘発性脳波」は発生し、ベータ波は検出されます。

右脳?潜在意識?

このように見ていくと、巷でアルファ波を商売にしているところのウソがはっきりと見えてきます。最大のウソは「右脳の活動とはなんの関係もない」ことでしょう。アルファ波は「右脳の活動だ」とか、「潜在意識の活動だ」とかいいたい放題のホームページを見かけます。

しかし、上の脳波の基本からするとアルファ波を売り物にしている人々がわからずに使っていることは、「よくわかります。」