ビジネス書から

2011/11/16 水曜日

ビジネス書と心

ここ数年、もっともお知らせしたかったこと!
精神世界、スピリチュアルなものを見出す生き方がマイナーだとすると、意識できることのみで生きていく生き方はメジャーなのかも知れません。しかし、それだけが本当にメジャーな道なのでしょうか。DIAMONDハーバード・ビジネス・レビューというHavard Business Schoolの論文が少なからず翻訳されている雑誌(手持ち分)から、人の心を取り扱った論文のタイトルを拾ってみました。

2001/08 チームEQの強化法 EQとは心のケアする能力をいう
2001/08 「場」のイノベーション・パワー 非公式な人脈の生み出す組織の活力
2002/01 昆虫に学ぶ「自己組織化」のメカニズム バラバラに見えるが全体に秩序が生み出されている状況を「群知能」という
2002/01 創造性を育てる「常識破り」のマネージメント 理論と実務が証明する従来の育成論の誤り
2002/03 「説得」の心理学 人を動かす6つの原則
2002/03 EQの高いリーダーが生み出す組織活力 リーダーの心のあり方でパフォーマンスがかわる
2002/09 説得力の心理学 説得の方法6段階を解明
2002/10 組織デザイナーのホリスティック思考 組織全体をみなければ変革できない
2002/10 「再起力」とはなにか 危機や難局を乗り越える不思議な力について
2002/10 創発のシミュレーション技術 カオス理論をビジネスに
2003/08 情報の正確さがすべてではない 正確な情報が正確な意思決定の基礎とはならない
2003/09 複雑系の意思決定モデル 直感の弱点をおぎなう
2003/11 「経済人」を超えて 経営者は社会責任と経営目標を同時に達成せねばならない
2003/12 なぜ地位は人を堕落させるか 特別扱い、ホメ言葉にh人はいかに弱いか
2004/05 キーストーン戦略:ビジネス生態系の掟 利己的な競争戦略の限界
2004/07 「色あせない成功」を求めて カレイドスコープ思考で見つめなおす人生
2004/07 カリスマ調教師:「競争」の戦略 優勝馬を生み出しつづける調教師
2004/08 悪の腹心 リーダーを堕落させる部下は組織にも悪影響を与える
2004/08 道徳家ほど己の偏見に気づかない 意思決定には潜在的偏見が存在する
2005/02 ディープ・スマート:暗黙知の継承 経験からしか学べない知はある
2005/04 CQ(Cultural Intelligence):多様性に適応する力 認知、行動、感情による新しい心理分析

「意識偏重主義」これ、養老さんの言葉です。「人生全般をすべて意識の中、頭の中で論理的に把握できると考えてしまいがちですが、よく考えると、人生で意識のある状態は途切れ途切れです。人間は寝ますからね。」

寝ている間に起きたことを、ニュースや記録で知ったつもりになる、っていうのが意識偏重主義なんだと思います。

自宅から駅に行く道すがらのことすら全部を覚えきれているわけはないのですが、その程度の意識で自分の関心が及ぶものを「世の中すべて」だと思い、それをコントロールしきれる、と思い込むことを意識偏重主義というんだと思います。
しかし、上のハーバードビジネススクールの論文は、他人の考えを尊重する、とか、言葉にできない着想や暗黙知というものを認め考察するというものであり、個々の意識が認識できる限界があることを前提している研究だと思います。

日本でもしばしば大企業経営者が、中村天風、安岡正篤といった考え方、哲学などを研究している人の意見を多いに取り入れているところには、限られた情報、知性をこえた働きを見出さねばやっていけないという現実問題があるのだと思います。

人間の意識には限界があり、それを超える方法を模索する。ことを認められる人と見たままが100%の情報だと思い込みたい人が、なにかを分けている気がしてなりません。