とんでもない主張の論理

2011/11/16 水曜日

トンデモない主張

スピリチュアル、精神世界では、どうしてトンデモない理論がまかりとおることがあるのでしょうか。いろんな人の言動を観察していると、次のような理由ではないかと思います。

  • 肩書き「博士」号をお金で買ったひと、「哲学博士」という日本では有り得ない肩書きを名乗っているひともいます。若いころはまともだったけれども、年をとってボケが始まっているひとの肩書きを利用しているひともいます。また、自分の専門外のことで勘違いをしている人もいます。(特にお医者さんは、なぜ、物理学にこうも弱いの?(涙))「○○博士のいうことだから間違いない。」と肩書きで判断をしないようにしましょう。
  • 歪んだ3段論法例えば、
    • サイババは、なにもないところから物をだす
    • なにもないところにあるのは、「意志」だけだ
    • ゆえに、意志さえあれば、物はできる。

    じゃあ、なにか考えるだけで作ってよ。特別な例を一般化するのがマジックの種です。単純化してわかった気にさせるんです。その後、あなたにだけ素晴らしいモノを売ってくれます。(笑)
    あるひとが言ってます。「詐欺師は無から口だけでものを作り出すから、聖者だ。」

  • 本当にアホらしい
    とんでもない理論、主張をしている人の根拠に、「誰も反論しない」というのがあります。学者というのは,ばかばかしい理論をまともに反論するのは恥ずかしいという風潮があります。ですから、いちいち反論しないんです。波動測定器の波動は原子が出す原子波の集まりだ、なんてあまりにアホ臭くて誰も反論しません。大企業も本当は自社で作ったものであっても、個人が「あれは、オレの発明だ。」とかいうのをいちいち反論しません。個人をいじめているみたいでマイナスイメージしかないですから。

    虚業家は、そこを利用するわけです。とくに電気炊飯器はすさまじく、町工場の三並家の発明を東芝が取り上げ(NHK「プロジェクトX」より)、それを某氏が「俺が発明した」と主張する混戦模様となっております。

  • 手品
    手品を超能力として披露していた喫茶店のマスター、偽書をでっちあげたりしたひと、偽石器をばらまいた藤村氏。学者でも手品は、見抜けません。
  • 選ばれたあなた
    例えば、太陽が冷たい、など「特別な情報」をささやく。「あなたは霊的レベルが高いから、特別にお知らせするのです。」心の弱い点をついて信じ込ませ、ついでにトンデモない教えまで吹き込まれてしまうのです。
    世間ではうまくやっていけない人も、数百円の市販本に載っている秘密の教えを信じるだけで「仲間」であり、近々、無知な憎らしいヤツらは破滅する、という自分にとって都合のいいリセット思考を吹き込まれるのです。なんと人間の卑しい心をくすぐる教えでしょうか。ちなみに上空にいくほど寒く、地表に近いほど暑いのは輻射熱のため。太陽が熱い証拠にこそなれ、冷たい証拠にはなりません。

トンデモ主張を信じるひとは、

  • 物理現象なのに、自分で調査、理解しようとしない。
  • 複雑な問題に対して単純な答えを求める。自分で考えるより断言してくれると安心する。
  • 「特別にあなたは霊的レベルが高い」といった現世ではかなわない誉め言葉に極端に弱い。
  • 驚くような理論を読んだり聞いたりして、なにか隠された真実を知った気になる。
  • 現世で自分が満たされない欲望が、「この方法」でできるような気がする。
  • 政府が出すものはすべて嘘。結果、正当科学はすべて嘘。

もし、本当に信じるならば上と反対のことをするべきではないでしょうか。

  • 自分で調べる。やってみる。
  • あまりにシンプルな答えは、やっぱり調べる。
  • 誉め言葉を囁く人の手が自分の財布にかかってないか、よく見る。
  • 驚くような理論をインターネットを使って、もっと調べる。
  • この方法でできそうなら、やってみる。本当に体験した人の話を聞く。
  • 粘り強くやる。

そういう方はMind Craftと一緒にがんばりましょう!

一方、トンデモない主張が書かれた本を取り上げ、間違っている、と笑いものにする集まりもでてきました。本もいくつか出版されています。これらを読んでいて、もう我々が楽しくなれないのは、本人達はオリジナリティをもたずに「無知を笑う」ということに終始していることではないでしょうか。

一冊ならば冗談で笑えましたが、他に売れる本を書く術を知らないのでしょう、いくつもいくつも同じようなものを出しつづけるところにミジメさ、卑しさを感じます。

トンデモであっても自分で考えた主張を唱えている人のほうに、勇気と清々しさを感じます。自分のふんどしで相撲をとってほしいものです。(著者の一群がここを読みにきてたらしい)

また、そうやって笑いものにする勢いがすぎて、「超常現象なんかない」と、とあるSF作家が超心理学研究者の笠原敏雄先生に論争を挑み、論争に負けて逃げ去ったこともあります。科学は仮説の集積だし、絶対の事実ではありません。だから科学の側に足を置いたとしても、常に謙虚でなければならないと思います。安易に他の人を笑い者にする人に知性のきらめきは感じません。